アカツキコーヒーの「コーヒーとトースト(ナカガワ小麦店)セット」 [京都府京都市]
百万遍手づくり市に出店していたアカツキコーヒー。
一乗寺に開店したのが2012年10月終わりのこと。
僕は11月中旬に伺った。
アカツキコーヒーの店主である中島さんが丁寧にコーヒーを淹れる。
その姿は丁寧でスムーズだった。
無駄な動きがなく、美しささえ感じる。
ナカガワ小麦店のトースト・モンターニュにはバターと自家製ジャムが
添えられ、コーヒーと共に運ばれてきた。
このコーヒー、豆はウィークエンダーズコーヒーが焙煎している。
ナカガワ小麦店のパン、アカツキコーヒーの珈琲。
静寂の中でそれらを口に入れる。
パンを噛む音、コーヒーカップから立ちのぼる水蒸気。
時間の流れは穏やかあり、そのためにひとつひとつの動きと音が
五感に響いてくる。
かもめ食堂にいるかのような空間で、僕は静と動を掴む。
BGM - John Cage / 4:33
ウィークエンダーズコーヒー「コーヒーとシュトーレン(ナカガワ小麦店)ギフトセット」 [京都府京都市]
贈りもの。
僕は贈りものをする機会がなかなかなくて(人付き合いが悪いからか)、
いざ、そのような場面に出くわすと、困惑してしまう。
人それぞれ嗜好があるわけで、とても難しいのだ。
だから、考えるのはちょっと楽しかったりする。
ウィークエンダーズコーヒーが11月から店内で販売するギフトセットがある。
ナカガワ小麦店のシュトーレン、そしてウィークエンダーズコーヒーの
ドリップバッグが入った「コーヒーとシュトーレンのギフトセット」。
これは鉄壁の布陣だ。
なぜ鉄壁なのか?
ナカガワ小麦店は元々、ウィークエンダーズコーヒーの店内販売を
週末に行っていた。ずっとずっと。
だからこの2つのお店は共鳴しあっていて、息がぴったりなのだ。
ブレンドは合うに決まっている。最初から。
自信をもってプレゼントできるということ。
エスプレッソホルダーが箔押しされた白いギフトボックスは品格高く、
そして冬の季節を感じさせる。
僕は2箱買い、ひとつは開店祝いとして大津ベーカリードライリバーに
持っていった。
店主の干川さんもきっと喜んでくれただろうと思う。
今年の冬も誰かにプレゼントしたいギフトセットだ。
BGM - Teenage Fanclub / About You
ナカガワ小麦店のシュトーレン [京都府京都市]
ガレット・デ・ロワに触れたので、シュトーレンについても書いておきたい。
ナカガワ小麦店のシュトーレンは木枯らしが吹く頃に販売が始まり、
年内最終営業日までお店に置かれている。
粉砂糖を振りかけたものとは違い、砂糖でコーディングされているのが特徴だ。
それ故にがっちりとした容姿に力強さを感じずにはいられない。
丁寧にナイフを入れる。
すると、ほんのりとラム酒とシナモンの香りが広がる。
シュトーレンの香り高さ。
毎年、美しい匂いに酔いしれてしまう。
そしてマカダミア、アーモンド、くるみ、オレンジ、レーズンが
たっぷりと含まれ、一切れでも重量感がある。
一切れ、二切れ…と食べたくなってしまうのだが、
なんとか我慢して、クリスマスまでの間、少しずつ食べる。
クリスマスなんてロマンチックな日のことを意識しないのだが、
シュトーレンを食べるときは、クリスマスがあってよかったかもしれない、
と思うようになった。
ナカガワ小麦店のシュトーレンは毎年欠かさず食べている。
今年のクリスマスもよろしく。
BGM - Patrick Watson / The Great Escape
ナカガワ小麦店のガレット・デ・ロワ [京都府京都市]
ナカガワ小麦店の季節物。
クリスマス期のシュトーレンに続き、新年から1月末までの期間、
フランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」がお目見えする。
アーモンド粉、砂糖、はちみつ、卵、ラム酒、バターで作った
アーモンドクリームをバター生地が包みこんでいる祝福のケーキ。
太陽の模様を描いた表面の美しいクープに思わず見とれてしまう。
さらに砂糖が熱によって溶けることで全体に輝きが生まれる。
僕には贅沢な一品だ。
ガレット・デ・ロワを切り分けて、フェーヴが入っていた人は
その年は幸運が続くのだという。
フェーヴはアーモンドの種なので口に含んでも安心。
何層にも折り重なったパイ生地の食感は、クロワッサンと同様に格別。
小さな人形は当たらなかったけど、ナカガワ小麦店の
ガレット・デ・ロワを毎年食べることができるのであれば、
それは幸運なことに違いない。
それでは中川恵介店長のお気に入りの音楽と共に、
ガレット・デ・ロワをどうぞお召し上がり下さい。
BGM - Rhye / The Fall
ラ・ギャミヌリィの黒米カンパーニュの黒プチパン [大阪府高槻市]
ブーランジェリータカギをはじめ、パラダイス&ランチ系列として、
高槻駅すぐにお店を構えるのがラ・ギャミヌリィだ。
街のパン屋さんでありながら、天然酵母パンやハードパン、ガレット・デ・ロワ、
そしてパティスリーとしてエレガントなお菓子も提供している。
その中で選んだのが黒米カンパーニュの黒プチパン。
価格は40円ながら、あまり口にすることのない黒米が練りこまれ、
ポリフェノールをたっぷりと吸収できるのが嬉しい。
ポリフェノールが含まれている飲み物といえばコーヒーやワイン。
このパンをアテにして一杯やってみてはいかがだろう?
たまには飲み過ぎて自分を見失ってもいいんじゃないかな。
BGM / Manic Street Preachers - Drug Drug Druggy
クロアのフォルコンブロート [京都府京都市]
クロアのフォルコンブロートは魔物だ。
とりあえず名前から強そうなのは確かで、ライ麦を60%も配合し、小麦は全粒粉ときている。
私はそれを打倒するため、丘の頂点を目指すように坂を登り、目的地へ向かった。
店内に流れるジャズは戦闘音楽そのもの。
先ず、それを手に入れるための儀式を果たさねばならない。
お店でトレイとトングを装備し、獲物を捕まえる。
しかし、その獲物は巨大だ。
故に超重量級なのである。
すると何が起こるか?
私の武器であるトングを獲物に差し込み、引き上げようとすると、その重さでびくとも動かないのだ!
やられた。
このトング、普段はとても優秀な武器だが、フォルコンブロートを前にすると、ひのきのぼう状態になってしまう。
いや、武闘家が武器を装備すると攻撃力が半減する状態だ。
歯がたたない。
格闘を続ける事数秒。
その数秒は後者のハンターに見られているから、極度の緊張感を発生させる。
獲物を地面にでも落としたら見世物になってしまう。
私は武闘家に転職したことに気付き、素手で獲物を捕まえた。
しかし。
ようやくトレイに載せても、彼は重すぎる。
修業を怠っていた腕への負担はあまりにも大きい。
痛恨の一撃を喰らいつつ、魔物を押さえ込み、ようやくレジにたどり着くのだった。
帰宅して奴を眺める。
強度に満ちた襞には惚れ惚れするほど美しい地割れが起きている。
私はそれを体内に取り込むことを決意した。
鋭利なナイフで引き裂くと、ライ麦の香ばしい匂いが私を包み込む。
アドレナリンが分泌され、パンの中毒症状に陥る。
ゆっくりとそれを抑え込み、口に加える。
荒くも繊細な麦たちが喉を通過し、体内に溶け込んでゆく。
またもや意識が遠のく。
脳の中にかすかに見えるのはクロアの扉、そしてパンが丁寧に並べられたテーブルだった。
身体はそれを取り込んだように思えたが、実際はフォルコンブロートに侵食されていたのだ。ああ、クロアに行かなければ…!
フォルコンブロートは中毒的な魔物である。
BGM - Ann Sally / Smile